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社外活動

副業禁止でもできる社外活動を紹介!専門性を活かせる「プロボノ」とは?

記事のまとめ

  • 副業禁止の企業にいながら経験値を積むには社外活動という形がある

  • なかでもプロボノは自身の専門性を発揮しながら活動できるのでおすすめ

  • 社外活動においても時間管理や本業の機密情報などの管理には注意が必要

2018年に厚生労働省が作成した「副業・兼業の促進に関するガイドライン」をきっかけに「副業解禁」をする個人と企業が増えています。しかし、まだまだ副業を禁止している企業が多いのも事実です。

株式会社パーソル総合研究所が発表した「第二回 副業の実態・意識に関する定量調査」によると、副業を全面的に禁止している企業は45.1%。約半数の企業で副業が禁止されています。

副業が禁止されている企業ではたらく人が、キャリアの幅を広げるためにできる活動はあるのでしょうか?

本記事では企業が副業を禁止する背景や、副業禁止でもできる「社外活動」の具体例と活動を行う際の注意点を解説します。副業だけではない、「キャリアを広げる活動」の参考にしていただければ幸いです。

企業が副業を禁止する理由

副業推進が進む中、そもそも日本の憲法第22条1項では「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する」と定められています。職業選択の自由とは、個人が自身のキャリアや職業を選ぶことの自由を意味し、その延長線上で副業や兼業の権利も同様に認められているとも考えられます。

しかし、前述したように5割近い企業が従業員の副業を全面的に禁止しています。その主な理由について、具体的に説明していきます。

業務効率低下など本業へ影響がある

従業員が副業を行うことで、本業と併せた労働時間が増加したり、パフォーマンスが低下したりする場合があります。疲労が溜まり、判断力や創造力が落ちることで、本業での集中力低下やミスが増加し業務効率が低下する可能性があります。

労務管理などの事務管理が煩雑になる

副業を許可することによって、従業員の勤務状況がわかりづらくなります。勤務状況が把握しづらくなると、労働法を遵守することが難しくなる場合があり、人事や経理部門の負担が増える恐れがあります。これは、組織における効率的な人事管理の障害となり得るのでしょう。

ノウハウや人材流出のリスクがある

従業員が別の職場で働く際、意図的ではなくても、独自の技術や企業秘密が競合他社の手に渡る恐れがあります。特に、同業界内での副業の場合、長期的には市場での立ち位置に影響を与える可能性があります。また、副業した従業員が副業先へ転職を検討するケースもあるため、人材流出の可能性を懸念しています。

風評被害などの悪影響がある

従業員の副業が原因で、企業の業務に支障をきたす事態が発生した場合、企業の評判に傷がつくことがあります。特に、SNSが普及した現代では、一つのネガティブな事件があっという間に広まることもあり、企業イメージの損傷につながる恐れがあります。

副業禁止でもできる社外活動のメリット

ここまで、企業が副業を禁止する理由を見てきましたが、副業を禁止する企業に所属する人が社外で自身のスキルを活かした活動をしたり、新たな業務経験を積んだりするにはどうすればよいでしょうか?

そんな人におすすめなのが、報酬のない社外活動です。ボランティア活動、地域貢献活動、セミナー参加など幅広く存在します。

副業と同じく、本業の会社の就業規則に反していないかの確認は必要ですが、報酬のない社外活動は、副業禁止の会社に所属しながらでも参加できる可能性があるでしょう。

これらの社外活動に取り組むメリットは多くあります。

人脈が豊かになる

社外活動を通じて、新たな人とのつながりが生まれます。例えば、ボランティア活動やコミュニティへの参加などには、異業種の人たちと協力する機会が多くあります。異なる業界や分野の知識を得る機会となり、将来的にはキャリアの選択肢を広げる助けにもなるかもしれません。

新しいスキルが身につく

社外活動を通じて、新しいスキルや知識を身につけられることも大きなメリットです。新しい業界に関する知識や、本業とは異なる問題解決手法などに触れる機会が得られることもあります。これらのスキルは、現在の職場でのパフォーマンス向上にも役立つでしょう。

視野が広がる

社外活動で異なる環境や文化に触れることは、視野を大きく広げてくれるでしょう。本業とは異なる業界や分野の人と関わり、自身の専門分野に新たな視点を得られる可能性もあります。

副業禁止でもできる社外活動の種類

ここからはどのような社外活動があるのかを具体的に紹介していきます。

ボランティア活動

地域社会の団体や非営利組織でのボランティア活動に参加することで、新たな経験を積むことができます。ボランティア活動には、地域の清掃活動、フードバンクでの支援、社会福祉施設での支援なども含まれます。

コミュニティへの参加

本業の業界や専門分野に関連する団体やネットワークに参加することで、同じ分野の専門家と交流する機会が得られます。専門的な知識やスキルを持った様々な専門家が運営している

オンラインサロンやコミュニティも数多くあります。参加者同士の交流によって、新たな知見を得られることもあるでしょう。

講座やワークショップへの参加

さまざまなオンライン教育プラットフォームを通じて、新しいスキルを学んだり、既存の知識を深めたりすることができます。言語学習、プログラミング、プロジェクト管理など、さまざまな講座があります。

これらの活動は、学習や成長、社会貢献を目的としており、副業禁止の環境でも参加ができるでしょう。

スキルを活かせる社外活動「プロボノ」に注目

これまでに紹介した社外活動の他に、「プロボノ」はおすすめできる活動のひとつです。

プロボノとは、仕事で培った専門的な知識やスキルを、無報酬で非営利組織や社会的なプロジェクトに提供する活動のことです。プロボノはラテン語の「pro bono publico」からきていて、直訳すると「公共の利益のために」という意味です。世界各地で、新しい社会貢献の形として広がっています。

もともとはアメリカやイギリスにおいて、弁護士費用を払うのが難しい人に対して法律関連の仕事をする人が無償で行う活動を指していました。現在はIT企業、公務員などさまざまな分野へ広がっています。

プロボノは、期間限定のプロジェクト型、5人前後のチームで取り組むものなど形式も多様です。自らのキャリア作りの一環として、プロボノ活動を考えてみてはいかがでしょうか。近年注目されている、複数のキャリアを持つ「パラレルキャリア」の第一歩としても活用できる可能性があります。

無報酬のため、副業禁止の企業に所属している場合でも参加しやすくなっています。ただし所属する企業の方針や規程を確認し、必要であれば事前の許可を取ると不安なく活動を開始できるでしょう。

プロボノがおすすめできる理由1.スキルやキャリアの棚卸しと向上

プロボノ活動では、自分の専門知識やスキルを非営利組織や社会活動に提供します。例えば、本業でマーケティングをしている人が子育て支援団体のプロジェクト広報に関わる、などのケースがあります。

プロボノ活動の実践者からは「自分が通常業務でしていることが誰かの役に立って驚いた」「自分の思わぬ得意分野を見つけた」などの声が出ています。

自身のスキルの棚卸しや新たな活用機会の発見にもつながっているようです。さらに、未経験だった分野に挑戦し、新たなスキル獲得の機会にしている人もいます。

プロボノがおすすめできる理由2.新たな視野の獲得

一般的な副業と異なるのは、社会貢献活動である点です。具体的には、こども食堂の支援や障がい者の就労支援、地方の教育支援プログラムなどがあります。社会課題の現場を知ることは、どんなことが問題なのかを考えるきっかけになり社会への感度も高まるでしょう。

プロボノは副業やボランティアと何が違う?

プロボノやボランティア活動、副業は似ているようで異なる点がいくつかあります。

プロボノと副業の違い

プロボノ活動は無償で行われます。副業は会社での仕事とは別に仕事を受け、対価として給与や報酬を受け取ります。

そのため、副業を禁止する企業は一定割合ありますが、プロボノは副業禁止の企業ではたらく人でも取り組むことができます。

プロボノとボランティアとの違い

プロボノは、法律相談、経営コンサルティング、マーケティング戦略の策定など、専門家としてのスキルが求められる場合が多いです。

一方、ボランティア活動は、専門的なスキルが必ずしも必要とされない、より幅広い活動を含みます。例えば、目的を「地域交流」や「人とのつながり」に置いた公園の清掃、慈善イベントの運営支援などです。

プロボノに参加する方法

では、プロボノに参加したい場合はどうすれば良いのでしょうか?プロボノの探し方を紹介します。

コーディネート団体に登録する

プロボノ活動を紹介する専門のプラットフォームやウェブサイトがあります。これらのサイトでは、非営利団体や社会的企業がプロジェクトを投稿しており、専門家がそれらのプロジェクトに応募することができます。スムーズにプロボノ活動に参加できるようなフォロー体制が整っている場合もあるので、活用してみましょう。

所属企業や公的機関の募集を探す

自分が所属している業界団体や専門家ネットワークを通じてプロボノの機会を探すこともできます。これらの団体は、メンバーにプロボノの機会を紹介したり、非営利団体とのマッチングをサポートしたりすることがあります。

また、地元の非営利団体や社会的企業が募集していることもあるでしょう。専門的な支援を必要としていないか直接問い合わせをし、プロボノとして参加するというケースもあります。

ソーシャルメディアを活用する

SNSがプロボノの機会を見つけるのに役立つ場合があります。自分のプロフィールでプロボノへの関心を表示したり、関連するオンラインイベントに参加したりすることで、機会を見つけることができます。

社外活動を行う際の注意点

プロボノのような社外活動を行う際には、大きく分類して3つの注意点があります。

就業規則の確認

まず、所属する企業の就業規則や方針を確認し、社外活動が許可されていることを確かめることです。

「副業ではないからそこまでしなくてもいいのでは?」と思われることもありますが、前述したように、企業は社員が社外で活動することに複数のリスクがあることを懸念しています。本業でも社外活動でも信頼されるようにするには、就業規則の確認は必須です。

特に、職務に関連する活動や競合する可能性のある活動には細心の注意が必要です。

時間管理の徹底

次に、社外活動が本業に影響を与えないように時間管理を徹底することです。本業の業務時間中に社外活動を行わない、また、本業のパフォーマンスに悪影響を及ぼさないようにすることが求められます。

情報の管理

社外活動によって得た機密情報を本業やSNSで公開しないように注意が必要です。また、本業で得た機密情報などを社外活動で発信しないことも徹底しましょう。

本業への還元

社外活動を継続させていくには、本業の企業の理解や応援が必須です。

そのため、社外活動を通じて得られた知見やスキルを、本業へ還元することを心がけましょう。社外活動は個人の成長と、職場でのパフォーマンス向上にもつながります。

まとめ

自身のスキルアップやキャリアにつながる副業以外での社外活動を幅広く紹介しました。マッチングサービスや友人の紹介、コミュニティなど、信頼できるところを経由して見つけることがおすすめです。

パーソルキャリア株式会社が運営する「HiPro Direct」では、専門スキルを持ったプロ人材と企業のマッチングを行っています。副業が可能な方は、自身の専門性を活かせる案件がないか、ぜひ探してみてください。

(書き手:片岡 由衣/編集:佐野 創太 /監修:HiPro Direct編集部)

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