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トライ&エラーが未来への投資 本業以外のプランBの見つけ方と時間の捻出方法

記事のまとめ

  • 自分の「したいこと、好きなこと」「できること」「世の中から必要とされていること」、この3つが重なり合う部分を探すと、方向性が見えてくる

  • まずはやりたいことの時間を確保するところからはじめる。無理やりにでも時間を作ることが大事

  • 企業も個人も未来への投資を絶えず続けなければ存続できない。2割は自分にも先行投資すると決めて、トライしてみることから始める

副業を始めてみたいけれど、自分には何ができるのかわからない。自分のスキルが別の会社でも通用するのか不安に感じて一歩を踏み出せない方や、副業に挑戦したくても、時間の捻出方法に課題を感じているビジネスパーソンは少なくありません。

そこで、企業のボトムアップによる新規事業支援として、企業内の仕組み作りや人材育成を行ってきた株式会社インキュベータ代表取締役の石川 明さんに、自分は副業で何ができるのか、本業以外のプランBの見つけ方と時間の捻出方法について話を伺いました。

自分のできることと世の中のニーズの掛け算からプランBを見つける

——副業を始めたいけれど、何ができるのか、また自分は何がしたいのかわからないという方も少なくありません。自分に合った副業を見つけるにはどうしたら良いでしょうか?

石川氏:今の自分の状態を可視化することから始めてみたら良いのではないでしょうか。「WILL」「CAN」「MUST」の三つの輪とよく言いますけれど、私は「WANT」「CAN」「NEED」と捉えていて、自分の「したいこと、好きなこと」「できること」「世の中から必要とされていること」、この3つが重なり合う部分を探すことをおすすめします。何がしたいのかわからない場合は、自分のできることで今必要とされていることは何だろうという視点で見てみると良いと思います。

私のケースは会社員を辞めて起業したケースでしたが、副業の場合もスタートは同じプロセスを踏むと思います。

——石川さんは、過去にインターネットメディアの事業部長を務められていました。ネクストキャリアでは、新規事業支援の仕事を選択されましたが、その理由について教えてください。

石川氏:実は、前職を退職すると決めてからの3ヶ月間で、200人と会って話をしました。そこで意外な「NEED」に気付いたことが、次のキャリアのきっかけでした。久しぶりに話をする方がほとんどだったのですが、一番興味を持ってもらえたのが過去に携わっていたボトムアップのための新規事業支援でした。新規事業に興味のある人や、困っている人が意外と多かったのです。

これだけ新規事業に関心を持ってもらえるということは、世の中的にも「不」があるのではないか。「不」、つまり誰かの不平、不満、不便、不利を解消することが仕事だと考えています。そしてそれだけ世の中にニーズがあるということなので、新規事業は仕事になるかもしれないと思ったのです。

「WANT」やりたいことを見つけるには、考えすぎないことが大事

まずは深く考えすぎずに行動することが大切と話す、株式会社インキュベータ代表取締役の石川 明さん(写真提供:株式会社インキュベータ)

——「CAN」や「NEED」は比較的見つけやすいですが、今後本業や副業として、自分がどんなことに挑戦したいのかイメージできずに悩むビジネスパーソンも少なくありません。「WANT」を見つけるコツはありますか?

石川氏:単純にこの仕事は好きだとか、楽しんで取り組めるとか、そういうものでも良いと思います。あまり重く深く立派なことをと考えすぎない方が良いのではないでしょうか。人と話すのも良いと思いますね。先ほど3ヶ月間で200人に会った話をしましたけれど、人と話すと自分では気づいていなかったいろいろなことが見えてきます。

あとは、新しいものに触れることも、私は意識するようにしています。自分の枠組みは自分でしか壊せません。枠組みを壊すために、いつもと違うことをしてみると何かの発見につながるのではないかと思います。

——ちなみに、石川さんがこれから何かチャレンジしてみたいことはありますか。

石川氏:これからやりたいことはいくつかあるのですが、ひとつは子どもの教育ですね。既に少しずつは始めていますが、子どもに対して、新規事業や新商品はどうやって作るの?といった仕事に関する教育プログラムを作りたいと考えています。

小学生の将来の夢が宇宙飛行士やプロ野球選手というのも素晴らしいけれど、起業家になりたいとか会社を作りたいって子がいても良いと思うのです。子ども達の選択肢として自然にあるように、できるだけ多くの子どもたちに届けられるにしたいですね。

——素敵ですね。子どもの教育にフォーカスしようと思ったのは何か理由があるのでしょうか?

石川氏:子どもが好きというのもありますけれど、仕事に対する考えを若いうちから持って欲しいのです。周りがみんな大学を卒業したら就職するから、自分もなんとなくそうするものだと思う人がほとんどで、仕事に対して考える機会が少なすぎます。

もっと若いうちから、会社が事業をやる意味を自分で考えられた方が良いと思います。自分が何をしたいのか、やりたいことのためにはどんな職業選択があるのかを理解した上で会社を選び、はたらく方が力をより発揮できると思うんですよね。だからこそ、子どもの頃から考える機会を提供したいと考えています。

新規事業を軸に、これからもやりたいことがまだまだある。(写真提供:株式会社インキュベータ)

個人も未来への投資を絶えずしなければ存続できない

——昨今は副業の案件や、副業したい人が増えてきました。今後も副業市場はさらに活性化していくと思いますか?

石川氏:副業は間違いなく更に広がっていくと思いますね。今までビジネスパーソンははたらくことに対する選択肢の自由度があまり高くありませんでした。しかし、世の中が発展して豊かになり、はたらき方の自由度が上がってきました。

物理的な制約がなくなると、一つの仕事をこの会社と組織でしか取り組まない、という状況はどんどん減っていくはずです。仕事の環境はもとより、仕事内容の自由度も上がっていくのではないかと思います。時間も、場所の制約も、報酬も、どんどんと選択肢が広がっていくのではないでしょうか。

だからこそ、ビジネスパーソンは、たとえ副業を取り組む際であっても、“まずはやってみる”ことが大事だと思います。自分には何が合っているのか、どんなことで自分の能力が活きるのかは、実際にやってみないとわからない部分も多いですから。トライ&エラーを繰り返してこそ、自分に本当に合ったはたらき方を見つけられるのではないでしょうか。

もし、副業をいきなりやってみる勇気が出ない場合は、すでに副業をしている人に話を聞くとか、関連するセミナーに参加してみることもおすすめです。そうするといろいろな発見もあると思いますし、機会が来たらトライできる体制をつくっておけると良いですね。

——本業で手一杯ゆえに、モヤモヤしている方もいらっしゃいます。新しいことに踏み出すには、まず何から始めてみるのが良いでしょうか?

石川氏:よくみなさんに伝えるのは、企業も人も絶えず新しいことにチャレンジし続けることが必要、ということです。例えば、企業がサスティナブルな存在としてずっとやっていこうと思ったら、未来への投資を絶えず続けなければいけません。老舗の和菓子屋さんだって会社として持続するために、洋菓子にトライしたりカフェをオープンしたりと、新しいことに挑戦をしています。挑戦し続けていないと事業環境の変化についていけなくなり存続できないのです。

企業はある一定の割合で何か新しいことを続けていかないといけない。この理屈はビジネスに関わる多くの人はわかっていることだと思います。大手企業でも「20%ルール」のような制度を取り入れ、新たな分野のスキル開発を個人でも取り組むことを認める企業も増えました。

これは企業だけではなく、個人にも同じなのです。自分の目の前にあることだけを行っていたら、どこかで自分の市場価値は低下していってしまうでしょう。2割ぐらいは先行投資で、新しいことに挑戦すると決めてトライしてみると良いと思います。

——お忙しい中で日々時間をどう使われているのか気になります。石川さんならではのタイムマネジメント術はありますか?

石川氏:余裕ができたらやろうと思っている、興味があるけど必須ではない、というくらいの段階のものほど先にアポを入れてしまいます。無理やりにでも時間を作らないと、いつまでたってもやらないので、まずは予定を押さえてしまうのです。ただ、私はそんなに体力がある方ではないので、1週間単位でのスケジュール管理を大事にしています。

スケジュールは全て色を分けて管理しています。例えば、ある程度リラックスした状態で臨める予定は緑色、取材のように特に準備は必要ないけれど参加している間はそれなりに緊張もするし、集中する必要があるものはピンク色、講演会やセミナーのような事前に準備をして臨まないといけないものは赤色と色分けます。

すると、予定表を見た時に内容を見なくても今週どれくらい忙しいかがわかります。パッとみたときに真っ赤だと、ヘビーなものは翌週にしようなどとすぐに判断できます。

そうすると他の予定はそれ以外の時間でやりくりしなくてはいけなくなるので、自然と時間を作れるわけです。まずは何かをやってみるためには「余白」を作ることも大切なのではないでしょうか。

(書き手:北原 舞/編集:永見 薫)

石川 明

株式会社インキュベータ 代表取締役

1988年に株式会社リクルートに入社以来、一貫して社内で新規事業を担当。1993年~2000年まで7年間、新規事業開発室のマネージャーとして、リクルート社の企業風土の象徴である、社内起業提案制度「New-RING」の事務局長を務め、新規事業を生み出し続けられる組織・制度つくりと1,000件以上の新規事業の起案に携わった。2010年に独立し開業。経済産業省主催「始動(グローバル起業家等育成プログラム)」講師・メンター/上智大学卒(1988)早稲田大学ビジネススクール修了(1993)/大学院大学至善館特任教授/明治大学専門職大学院グローバル・ビジネス研究科客員教授。直近の著書に『Deep Skill ディープ・スキル 人と組織を巧みに動かす 深くてさりげない「21の技術」』(ダイヤモンド社)がある。

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