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本業・副業にシナジーが生まれる!副業経験者が語る社外での視点を持つ重要性

記事のまとめ

  • オイシックス・ラ・大地株式会社は、10年前から副業や兼業が可能で、役員を含めた社員が多様な働き方をしている

  • 本業の企業規模では挑戦できない業務でも、副業だと挑戦できることも。すると、本業及び副業において相乗効果を感じる場面が多い

  • 自分を振り返るためのキャリアの棚卸し時間で、やる気のスイッチを入れる。自分なりのやる気を入れるためのスイッチを、ルーティンワークで作っておくことがおすすめ

「働き方改革」により企業の副業解禁が進んでいますが、社員の副業は会社にどのような価値をもたらすのでしょうか。

オイシックス・ラ・大地株式会社では、経営陣も社員も副業を実践している人が多いといいます。同社で経営企画部長に就きながら、福岡のスタートアップで組織経営アドバイザリーを務めるなど、長く副業を経験してきた三浦 孝文さんに、ビジネスパーソンが副業をするメリットや実施するために考えるべきことについて話をお聞きしました。

▼三浦 孝文さんのインタビュー前編はコチラ
東京と福岡、行き来をしながら副業に取り組む。地方副業の可能性と始め方

自分の経験を社会に還元したいと思うように

―― オイシックス・ラ・大地では、以前から副業・兼業を推進しているそうですね。

三浦氏:はい。10年近く前から副業・兼業を認めています。ただ、本業に何かしら活かせるような学びがあることを大事にしてほしいという根幹があります。

当社は「食の領域の社会課題を、ビジネスの手法で解決する」ことを大事にしています。経営陣や社員でも、自分のスキルを活かして社会課題解決に取り組むような兼業をしている人が多いです。例えば代表の高島は、日本車いすラグビー連盟の理事長や、新潟県で開催されている国際的な芸術祭「大地の芸術祭」を運営するNPOの理事にも就任しています。

その他に、日本酒の魅力を多くの人に届けるべく、日本酒バーの運営に携わっている社員など食や農業にまつわる領域に関わる社員も多くいます。自分のスキルや経験、持っているものを社会のために役立てるのは重要なことです。多様な働き方を身近で見守り続けているなかで、次第に自分もスキルや経験を用いて役に立ちたいと思うに至りました。

本業と副業、どちらにも好影響を実感

―― 三浦さんがたずさわる副業について教えてください。

三浦氏:最初に経験した副業は、東京在住時に知り合いが経営していたスタートアップ企業での支援業務でした。

初めは、私設コミュニティにて知り合った人事の方からの個人的な相談に乗っていました。楽しみながら関わっていたのですが、ある日「仕事として、人事面やビジョン・ミッション策定などの部分で関わってほしい」と声をかけられ、それ以降は副業としてその方の企業の人事課題の解決のための支援に関わることになりました。

―― コミュニティ経由なんですね。どのようなコミュニティですか?

三浦氏:「人事ごった煮会※」という、さまざまな企業の人事が集うコミュニティです。私を発起人に複数名で立ち上げました。現在2,000人を超える人事の皆さんにフォローしてもらうほどのコミュニティに成長し、ここでは数多くの出会いがありました。

「コミュニティを作るぞ!」と意気込んで始めたというよりは、勉強会や、会いたい人たちと交流する会の幹事をするようになったのが始まりです。幹事だとイベント企画で話を聞きたい人を選べるし、やり始めたら楽しくなって「コミュニティの旗印となるロゴを作ろう」「ビジョン・ミッション・バリューも作るか」と、活動範囲が広がっていきました。

※3年前に人事職から離れたのを機に、現在は人事ごった煮会の運営は後進に任せているそうです。

就職してから長年人事としてはたらいていましたが、実はずっと経営にも関心がありました。ただ、起業家やスタートアップの経営者の方たちは「この社会課題を解決したい」との熱量がとにかく高い方が多いんですよね。私の場合は、何か自分が解決したい社会課題があるというよりも、そういう方たちのサポートをして、経営の成長スピードを上げ、チームでより多くの課題を解決することに挑戦したいのだと気づきました。

副業を始めた当初は「会社での経験が社外でも通用するのか試したい」と、自分のためのチャレンジの側面もありましたね。

本業と副業の相乗効果について話す三浦孝文氏

―― 副業で得られたものはありますか?

三浦氏:たくさんあります。スタートアップ・ベンチャー企業と関わることが多いので、経営者の圧倒的な熱量や、当事者意識には大きな刺激をもらっています。初めから効率や仕組みを考えるより、まず課題解決に向かって一生懸命走ってみる。機動力の高さからも、ポジティブな影響を受けていますね。

当社もベンチャーマインドのある企業ではありますが、社員数や売上が大きくなっていくにつれ、関わるステークホルダーが増えています。例えば、何か新しいツールを試したいと思っても、理由や根拠を示し、承認を得るプロセスも必要になっていきます。一方、スタートアップ支援の副業だと、企業規模が大きくないため、決裁や意思決定の際に、スピード感を持って承認を取ることができます。善し悪しはないですが、どんどんトライアルできる。

本業と副業で異なる規模感の経営に携われているのは、それぞれ向き合う企業にとって良い効果があると感じます。もちろん個人のスキルアップという面においてもしかりです。

福岡で開催した、スタートアップイベントでの登壇風景(画像提供:三浦氏)

長期的に価値を生み出すには社外の視点は必要

―― 社員が副業することについて、経営企画部長としては、どう考えていますか?

三浦氏:副業や兼業によって得られるネットワークや人間関係はとても大きいです。とはいえ、必ずしも副業や兼業が必要だとは思ってはいません。一人ひとりのやりたいことや、ライフステージの変化によって仕事に対して求めることは変わります。変化によって必要とすることが、副業・兼業なのか、あるいは今の仕事にまず向き合うことなのか。その時々の自分自身の決断だと思っています。もしかしたら副業や兼業をせずに、転職という可能性だって考えられるかもしれないですし。

ただ、企業が世の中に対して価値を生み出し続けるためには、広い視点、つまり社外での視点を持つ必要性も痛感しています。私も社外での活動から、自社や自チームに還元できた場面は多いです。社外で人事担当者が集うコミュニティを運営していたこと、東京在住時に副業を始めたことなど、それぞれの活動を通じて点を打ち続けたことが、線になって結びついてきています。

コミュニティには会社もはたらき方も多様なメンバーが集まっている(画像提供:三浦氏)

―― 副業や兼業を始める社員に伝えたいことはありますか?

三浦氏:副業や兼業を始めるときは、「短期で何かを生み出す」「すぐにリターンを得なければ」と思う必要はないかと思います。業務時間外に取り組むことだからこそ、まずは「自分が好きだからやっている」という気持ちを持って取り組んでほしいですね。

振り返ってみたら、実は私も「何かをやろう」と自ら戦略的に始めたことは少ないです。求められたことや目の前にあることを真剣に取り組んでいたら、気づけば形になっていたことが多いように思います。本業でも副業でも、大切なのは引き受けたからには真剣に取り組み、価値を提供すること。そうすることで、周りも自分も得られるものが大きいと思います。

高校生の頃から歴史が好きで、大学時代は文学部文化歴史学科で歴史を学びました。歴史を学んでいると、人と人の出会いが時代の変化を生み出し、今も残る有形無形の価値を生み出しています。次世代へ続くような価値を生み出すためには、人と人の出会いやマッチングは必要です。社内と社外で得られるものは当然異なるので、外から学んだ方がいいこともあるんだと思います。

身の回りに目を向けたら見えること

―― 新たな一歩を踏み出したいけど、躊躇する人は多いです。三浦さんが新たな行動をするために心がけていることはありますか?

三浦氏:そうですね…。自分の場合は大きく2つあります。1つ目は、「ほぼ日5年手帳」を毎日書き続けていることです。人事や経営企画では、仕組みを作って誰かに伝えるために言語化することまでが求められます。その為、普段から日々の出来事や感情を振り返って言葉にし、書き留めるようにしています。

といっても、自分だけが見るものなので「今日は●●があって集中できなかった」みたいな一言や感情的な短文しか書いていない日もありますよ(笑)。それでも読み返すと「1年前はこう考えていたけど、今はできているな」「この日の自分はダメだったんだな」など、自分のこれまでの行動から色んなことに気づける。

「副業のためにこれをしよう」ではなくて、「誘われてやっていたら副業になっていた」のように、日記に書き出した内容を俯瞰することによって、自分の行動に対して後から意味づけをしていることも多いです。記録していることで、変化や成長を実感できています。

2つ目は、行動を振り返って棚卸しをする時間と、人と会う時間を確保するために、あらかじめGoogleカレンダーに予定をセットしておくことです。例えば「半期に1回、〇〇に会う」などというように自分にとってつい行動したくなる、促進剤になるような仕かけ作りを意図的にすることを心がけています。私の場合は、自分の中の「メンターとなるような人」に会うことが行動促進につながっています。このように、自分の行動を促進するためには何が必要なのかを理解して、実行しています。

―― 自分なりの動くためのスイッチを決めていたんですね。最後に、ビジネスパーソンが副業をはじめとしたキャリアへ新たな行動を踏み出すためアドバイスをお願いします!

三浦氏:振り返れば20代の頃は、変化のきっかけや情報を探すために、自分の周囲や社内ではなく、社外などの外へ意識が向いていることが多々ありました。でも、身近で自分をよく見てくれる人や、必要としていて声をかけてくれる人が意外といるものだと思います。

そのため、一度自分の目の前にある景色をしっかり眺めてみることをおすすめします。自分にとってのヒントが転がっているかもしれません。それらのヒントを得たものの、まずは取り組んでみないと良いか、悪いかはわかりません。動きながら、自分の行動の源となるスイッチを探してみることがおすすめです。スイッチが見つかると、自ずと次の道に向けた行動がとれるようになるのではないでしょうか。

(書き手:片岡 由衣/編集:永見 薫)

▼三浦 孝文さんのインタビュー前編はコチラ
東京と福岡、行き来をしながら副業に取り組む。地方副業の可能性と始め方

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