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営業職の副業の種類や始め方 他職種にチャレンジできる?

記事のまとめ

  • 「営業の副業」は、最も「副業で受け入られている」かつ「受け入れたい職種」である

  • 営業スキルを活かして、他職種の副業にも挑戦できる

  • 営業の副業ならではの、注意事項がある

企業の売上・利益に大きく影響を与える営業職。人材不足が叫ばれる昨今は特に、副業人材としての需要が高まっています。

パーソル総合研究所の調査によると、受け入れている、受け入れたい副業者の職種で最も多いのは「営業」で19.6%。ITエンジニア(15.6%)、情報システム関連(13.7%)といったIT人材よりもニーズが高いことがわかります。

(引用元:株式会社パーソル総合研究所「第二回 副業の実態・意識に関する定量調査」)

しかし、営業の副業に取り組む人は少ない状況です。パーソル総合研究所の同調査によると、副業をしている人の本業の職種別の割合は以下の通りです。

(引用元:株式会社パーソル総合研究所「第二回 副業の実態・意識に関する定量調査」)

  • 1位:コンサルタント 29.8%
  • 2位:Webクリエイティブ 20.1%
  • 3位:人事・教育 19.9%
  • 20位:営業 9.6%

営業は9.6%(20位)であり、他の職種と比較すると副業に取り組んでいる人は少ない状況といえそうです。

本記事では、ニーズは高いが実践者が少ない「営業」の副業について、具体的な職種、副業案件の探し方、営業スキルを活かして他職種の副業に挑戦する方法などを紹介します。

営業の副業の種類

営業の副業には、さまざまな種類があります。営業スキルや経験を活かせる5種類の副業を、HiPro Directに掲載された案件とともにご紹介します。

営業支援

これまでのキャリアで営業としての実績を残してきた人におすすめの副業が、営業支援です。

営業支援の仕事には、営業スキルの研修、商談に使用する資料の作成、販売実績の分析などがあります。たとえば、以下のHiPro Directの案件例があります。(2024年1月現在)

  • 官公庁におけるプロポーザル案件の提案書作成
  • ECサイトの売上集計・販促管理業務

普段の営業スキルを活用しながら、営業組織の後方支援の仕事に取り組むことができると言えるでしょう。

営業代行

営業代行は、商談のアポイント獲得などの定量的な成果を出すのが得意な人におすすめです。たとえば、以下のHiPro Directの案件があります(2024年1月現在)。

  • 人材紹介会社の新規顧客獲得業務
  • コンサルティング会社のアウトバウンドセールス

営業代行では、主に新規顧客の開拓を担います。その範囲は、企業によってさまざまです。

アポ取りのみを担当することもあれば、商談までを担当することもあります。

インサイドセールス

インサイドセールスとは、DM、テレアポ、オンラインでの面談などを通じ、商談を獲得する営業職です。見込顧客の獲得がメインの仕事となります。HiPro Directの案件は以下の通りです(2024年1月現在)。

  • クラウドソーシングサービスにおける新規アポイント獲得
  • 放送通信機器会社のメルマガ運用

成果を数値として測りやすく、業務の範囲を定めやすいため、副業人材の活用が進んでいる仕事です。メルマガ配信やウェビナーの開催を通じて見込み客に情報を発信し、受注へとつなげるナーチャリングセールス案件もあります。

営業戦略の立案

新規事業などにおいて求められる営業戦略では、市場や顧客のインサイト、競合他社のデータを元に、売上を拡大していく方針を定めていきます。

HiPro Directでは以下のような案件があります(2024年1月現在)。

  • 物流業界の新規市場開拓に伴う戦略立案、事業投資の計画策定など
  • 生成AI導入支援サービスの営業方針・営業戦略の策定

営業戦略では、データ分析などの高度な専門スキルが必要です。しかし、市場では人材が不足しており、副業人材の需要が高まっています。

新サービスの立ち上げから営業に携わった、営業方針を策定したなどの経験が活かせます。

営業パーソンの育成、マネジメント

営業パーソンの育成やマネジメントにおいても、副業人材の活用が進んでいます。マネジメント経験がある方におすすめです。HiPro Directでは、以下のような案件の募集があります(2024年1月現在)。

  • 管理職研修カリキュラムの企画と実施
  • テレマーケティングの獲得効率向上についてのスポットコンサル

たとえば「商談数を倍に上げるマーケティングスキル」や「クロージングのためのコミュニケーション方法」などの育成コンテンツを開発して講師を務めたり、外部の専門家として若手の営業人材と1on1を実施したりといった業務があります。

営業スキルを活かして、他職種にチャレンジ

営業職では、成果を出すために情報を収集しながら仮説を検証し、自社のさまざまな部署と協業しながら、アクションを起こします。その過程で、新規チームの立ち上げ、情報のリサーチ、プロジェクトリーダー経験など多様な経験・スキルを獲得できます。

これらのスキルは、営業以外の職種でも有用です。ここでは、営業経験で得たスキルを活用し、チャレンジできる他職種を紹介します。

事業開発(BizDev)

スタートアップやベンチャー企業でニーズが高まっているのが、事業開発(BizDev)という職種です。メインの業務は、新規事業の企画・戦略立案・実行を担ったり、新規事業の営業活動を行ったりすることです。

多くの部署を巻き込み、リサーチを重ねながら成果にコミットすることが求められるため、営業職との共通点も多い職種です。

また事業開発や売り上げを立てることが求められるため、数字を積み重ねてきた推進力は大いに求められています。

キャリア相談員

個人のキャリアを支援するキャリア相談員では、相談者からヒアリングし、論理的なキャリアの提案を実施します。

営業職では、顧客へのヒアリングや提案などを行うため、そのスキルと経験を活用することが可能です。

また「営業人材に特化したキャリア相談」など、自分が得意な領域に絞ることで相談員として副業を始めることも可能です。

コンサルタント

企業の経営上の課題に対して、解決方法を立案するコンサルタントにおいても、営業として培った課題を整理する力やプロジェクト進行力を活かせます。

コンサルタントは、人事コンサルタント、営業コンサルタント、経営コンサルタントとそれぞれの領域によって、担う業務が大きく異なります。未経験で取り組む場合は、ハードルが高いため、まずは、自身の営業経験と隣接した営業コンサルタント職への挑戦がおすすめです。

新規営業が得意、インサイドセールスが得意など、自分の得意な領域を人に教えられるようにしておくと、コンサルタントとしての副業がしやすくなるでしょう。

営業職の副業の始め方

副業に取り組むには、案件を受注する必要があります。それでは、どのように案件を探せばよいのでしょうか。

パーソル総合研究所が実施した調査によると、副業の案件を探す方法として、以下の媒体が多くの人に利用されているとわかりました。

  • 知人・友人からの紹介 27.3%
  • スマートフォンのアプリ 26.5%
  • 広告媒体(WEB) 17.7%
  • WEBマッチングサービス 17.1%

(引用元:株式会社パーソル総合研究所「第二回 副業の実態・意識に関する定量調査」)

これらの結果を踏まえて、営業の副業案件の探し方を解説します。

知人経由

営業に関する副業では、本業と同じように組織に関する機密情報も多く、チームメンバーと足並みをそろえてプロジェクトに臨む必要があります。営業の副業の特徴として、スキルだけでなく人柄も重視されることがあります。そのため、自身の人柄をよく知る知人からの紹介によって案件を受注するケースも多くなっています。

知人からの紹介の場合、ふとしたきっかけで案件を獲得できるケースもあるので、SNSや普段の交流で、副業に取り組んでいることを発信するのもおすすめです。

営業職向けの副業マッチングサービス

副業が社会に浸透するにつれて、企業と副業者を結ぶ副業マッチングサービスが増えました。案件を探しやすく、取引の開始もスムーズに行えるため、使いやすい媒体と言えるでしょう。

中には特定の職種や業界に特化した副業マッチングサービスも増えており、営業職向けのものもあります。やりたい副業が明確であれば、特化型の副業マッチングサイトを活用すると、効率的に案件を探せるでしょう。

営業職向けの副業エージェント

営業人材と企業をマッチングするために活動する副業エージェントが存在します。

自分に合う副業が何かわからない、企業との金額交渉が苦手、副業の面談のアドバイスがほしいといった場合は、副業エージェントを活用することがおすすめです。

営業の副業の報酬形態

ここでは営業職で副業に取り組んだ場合の、報酬形態について解説します。

固定報酬型

現在主流の報酬形態が、固定報酬型です。時給や月給で契約を交わし、その契約の履行によって報酬が支払われます。

成果報酬型

成果報酬型は、商談や契約の獲得など、達成した成果に応じて報酬が支払われます。どのような場合にいくら報酬が支払われるかは、企業や案件ごとに異なるため、事前に確認することが重要です。

複合報酬型

複合報酬型は、固定報酬型に基づいて支給される基本報酬に加えて、成果を達成した場合には、インセンティブが支払われる仕組みです。こちらもインセンティブを得られる条件や報酬額は事前にしっかり確認しておき、トラブルが生じないよう注意が必要です。

副業をする際の注意点

副業をする際には、本業先と副業先の2つの企業のメンバーとして活動することになります。副業の営業ならではの注意すべき事項が発生します。それぞれ見ていきましょう。

利益相反

本業で得た情報を副業先で活用することで所属する企業にデメリットが生じた場合、利益相反となります。本業の競合となるような企業や案件に携わるのは控えることをおすすめします。

例えば本業で接点を持った顧客に、副業先の会社の商品を営業するなどは利益相反にあたります。

顧客情報、機密情報の漏洩

営業して活動するときには顧客の商品やサービスのデータなど、機密情報に触れるケースは多々あります。本業・副業に関わらず、顧客情報や機密情報の漏洩には気をつけましょう。

一つの工夫として、ある営業の副業をしているAさんは「本業と副業の名刺入れはわける」ようにしています。理由は「同じ名刺入れにしていると、本業の顧客からいただいた名刺を、何かの拍子で副業の営業中に出してしまう可能性があり、思わぬ失敗を防ぎたい」からと話していました。

本業と副業を切り分ける工夫が大事です。

営業秘密持ち出し

営業が転職をする際に情報を持ち出すと刑事事件として扱われることがあります。

過去には、大手企業から競合の中小企業へ転職する際に、事業や顧客の機密情報を営業が持ち出し、逮捕に至った事例がありました。

本業・副業を問わず、機密情報は絶対に他社へ持ち出さないようにしましょう。

営業の副業でよくあるトラブル

副業に取り組む際には、トラブルが発生することもあります。実際にどのようなトラブルがあるのでしょうか。パーソル総合研究所の調査によると、副業によって本業に発生した問題と課題は以下になります。

  • 過重労働となり、体調を崩した  16.1%
  • 本業をおろそかにするようになった 15.0%
  • 過重労働となり、本業に支障をきたした 14.1%
  • 本業の企業のイメージダウンになるような問題を起こしてしまった 12.3%

(引用元:株式会社パーソル総合研究所「第二回 副業の実態・意識に関する定量調査」)

これらをひもとくと、過重労働が原因の問題が多く発生していることがわかります。本業では、残業時間が時期によって変動するケースも少なくありません。繁忙期の労働時間から逆算して副業に取り組む時間を決めるなどの対策が必要です。

特に営業は「やればやるだけ成果が出る」こともあります。あらかじめ「副業に使う時間」を決めておき、自分で管理することも重要です。

▼関連記事
副業時間の作り方とポイント〜副業経験者の実例つきの解説あり〜

まとめ

営業の副業には、多くの種類があります。また、営業で培ったスキルを活かして、副業で別の職種にチャレンジすることも可能です。

案件を探すプラットフォームも充実しており、副業へ取り組むハードルは以前より低くなっていると言えるでしょう。「スキルや収入を伸ばしたい」「活躍の場を広げたい」と思う方は、ぜひ副業に取り組んでみてください。

(書き手:中 たんぺい/編集:佐野 創太/監修:HiPro Direct編集部)

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