コラム

|

副業・兼業

はたらき方

副業はいつできる?副業にかける時間や捻出方法を経験者の事例とともに解説

記事のまとめ

  • 副業の実施は休日か、勤務終了後が多く、中には勤務時間の休憩中や、出勤前の時間を使用している人もいる

  • 平日の副業労働の平均時間は2.56時間、休日の平均時間が4.48時間。月収の中央値は4.1万円ほどである

  • 副業を実施する時には、本業をおろそかにしないようにバランスを見ながら実施する必要がある

2017年、日本政府よりテレワークや副業・兼業などの柔軟な働き方を目標とする「働き方改革実行計画」が発表されました。これにより、副業を解禁する企業が増え、会社員が副業をしやすくなっています。

しかし手を動かしてみないと実感が湧かないのも事実。副業の経験者は、実際どの程度の業務量を対応し、どの程度時間を費やしているのか。また、副業に充てる時間をどのように捻出するのか、疑問に感じている人もいるのではないでしょうか。

本記事では、副業経験者が日常どんなタイミングで副業業務をしているのか、どの程度時間を使い、量を対応しているのかを解説します。

副業をしている人、したい人はどの程度いるのか

副業についてなんとなく気になるけれど、分からないことが多くて躊躇してしまう……。そんな人もいるのではないでしょうか。実際にどの程度の人が副業をしているか気になるところです。

副業をしている人の割合

パーソルキャリア株式会社の提供する転職サービス「doda」が2023年3月に調査した「副業の実態調査」によると、20~59歳のビジネスパーソン15,000人のうち、副業をしている人は全体の約8.2%という結果でした。つまり約1割弱の実施率ということで、まだ多くはありません。

(引用元:パーソルキャリア株式会社 転職サービス「doda」「副業の実態調査」(2023.3))

副業が会社から認められている人の割合

企業の副業容認状況はどの程度なのでしょうか。以下の図では、副業が「禁止されている」人が49.8%と約半数の人の企業では副業が容認されていないことがわかりました。

また「認められている」人が25.3%、「分からない」人が24.8%という結果で、「認められている」人は回答者全体の4分の1程度にとどまる形となっています。つまり、副業をしたくても、まだ副業をできる環境にない人が多いと言えるのではないでしょうか。

(引用元:パーソルキャリア株式会社 転職サービス「doda」「副業の実態調査」(2023.3))

副業をこれからしたい人の割合

しかし、環境が許さないだけで、実は副業をしたい人はいます。まだ副業をしていない、あるいはできない環境であっても、副業をしたい人はいます。

以下のデータは、株式会社パーソル総合研究所「第二回 副業の実態・意識に関する定量調査」による、個人の副業実態・意識を集計したデータです。これによると、現在副業をしていなくて副業の意向がある人は40.2%いることがわかります。このことから、副業への関心や意欲が一定数あることが伺えます。

(引用元:「株式会社パーソル総合研究所「第二回 副業の実態・意識に関する定量調査」(2021.3))

いつ副業の時間をとっているのか?

それでは、副業経験者は一体いつ副業をしており、どの程度の時間を費やしているのでしょうか。

以下の表は副業経験者に、いつ副業をしているかという質問への回答になります。副業の実施は「休日」と回答した人が70.2%、「勤務終了後」と回答した人が42.8%です。

中には勤務時間の休憩中や、出勤前の時間を使用している人もおり、スキマ時間を有効的に活用している人も見られます。

当然ながら副業は本業あってのことです。本業に差しさわりのない時間に実施するために、休日に副業を実践している人が多いといえそうです。

(引用元:パーソルキャリア株式会社 転職サービス「doda」「副業の実態調査」(2023.3))

副業経験者はどれくらいの時間副業をしているのか?

副業経験者はどの程度の時間副業しているのか、また本業と合わせてどの程度労働時間を費やしているのでしょうか。

株式会社パーソル総合研究所が調査した、「第二回 副業の実態・意識に関する定量調査」によると、副業経験者の副業時間は、月間で約9日、月間の平均労働時間は約29.5時間。本業の勤務日に勤務外の時間で実施する平均時間が2.56時間、休日に実施する時間が4.48時間という結果でした。

この平均時間数から考察できることは、本業において超過勤務時間があまりなく、定時で勤務完了していれば副業が可能なのではないか、ということです。一方、本業で超過勤務が多い場合、特に平日は副業の実施が難しいかもしれません。

(引用元:株式会社パーソル総合研究所「第二回 副業の実態・意識に関する定量調査」

副業にかける時間に対して得られる収入はどれくらいか?

実際に副業を実施している人は、何時間かけてどの程度の収入を得ているのでしょうか。

株式会社パーソル総合研究所が調査した、「第二回 副業の実態・意識に関する定量調査」によると副業経験者の副業における月収ボリューム層で一番多かったのが「月5万〜10万円」という回答で、27.7%でした。

副業者の中央値をみていくと、副業の中央値は月額4.1万円です。また副業収入を1ヶ月当たりの総労働時間をもとに時給算出すると、副業の平均時給は1,883円という回答でした。

副業にかける時間が限定されることから、月収としては生活を支える基盤ではなく、生活の質を上げるための要素が強いことが伺えます。

(引用元:株式会社パーソル総合研究所 第二回 副業の実態・意識に関する定量調査

本業と副業を両立する難しさ

本業がありながら、限られた時間で副業をすることにはどんな難しさがあるのでしょうか。実際に副業に挑戦した人の実体験を紹介します。

繁忙期のある本業と副業を両立させるのが難しい

副業は本業と同じように対価があり、業務を遂行することが求められます。

本業が忙しかったとしても副業の締め切りや納期を守らなくてはなりません。また本業の業務負荷が重い、家庭環境が忙しいなどの事情があったからといって、業務内容の質を落としてはなりません。万一事情やトラブルがある場合は、まずは副業先の担当者と相談をすることが望ましいでしょう。

本業の繁忙期と副業期間をずらす

本業は経理職で、副業はライターとして活動をするBさんの事例を見てみましょう。経理職は四半期ごとに決算にかかわる業務があるため、どうしても本業の繁忙期が存在します。しかし、あらかじめ副業で受注するライティングの業務は、記事1本単位で締め切りがあります。本業の繁忙期と重なった際には、副業の締め切りを守ることに苦慮しているそうです。

そのため、Bさんは副業をする時間は「繁忙期とは重ねない」ことで捻出しています。経理の仕事の繁忙期は、決算関連の業務が増える3月から5月や、年末調整の業務が増える11月から1月になることが多いです。この時期は副業のクライアントに「この時期は稼働できませんが、他の月はその分稼働できます」と伝えています。本業の繁忙期と副業期間をずらすことで、副業を継続できるように工夫しているのです。

本業では得られない「自分の名前で仕事をする経験」や、「読者から反応をもらえるやりがい」を追求するため、自身の労働時間をうまく管理しているケースです。

決まった時間に副業をするのが難しい

本業の業務が思う通りに毎日定時で終わらないこともあります。自由に時間が使える休日も、家族との予定や突然の外出が必要になることもあるでしょう。

あらかじめ余裕のある計画を立てたり、毎日発生する隙間時間を集めたりして、続けている人がいます。クライアントの対応が突発的に入り、副業するのが難しいと考えられている営業職の人でも、副業と両立させているケースがあります。

隙間時間とフレームワークを集めて、短い時間でアウトプットする

本業が法人営業職のCさんの事例を見てみましょう。Cさんは営業職ゆえにフレキシブルな時間の使い方をしており、平日は2時間ほどNPO団体の企画職として副業しています。本業の営業職は顧客ありきの仕事のため、毎日定刻に仕事を終えられるわけではなく、副業時間の確保に苦戦しているようです。

一方で営業職であることから、通勤時間などの隙間時間を集めることで時間を捻出しています。企画職の仕事内容であるアイディア出しやキャッチコピーなど、このスキマ時間を使うことで副業を続けています。

また、読書でプロの技術やフレームワークを学習し、短い時間でも企画のアウトプットを出せるよう努力しているようです。

大変さはありながらも、Cさんも副業を続けたいと考えています。「営業とは違う頭を使う仕事は、なかなか社内ではできない」と考えているからです。本業と副業で使うスキルや能力をわけ、「どちらも経験したい」と思った時には、本業と副業の両立生活は充実したものになるでしょう。

本業とのバランスを見ながら、自分ができる業務量と時間を考える

本業のかたわらで行う副業には、業務にあたる時間とできる業務量に限りがあります。時に本業が忙しければ、副業の時間を捻出することが難しい時もあるでしょう。

質の良い仕事をするためには、余暇や休息も大切です。本業・副業・オフの3つのバランスを考え、自分だったらどのような内容の副業が可能で、どの程度時間を捻出できるのか考えていく必要があります。

本記事でご紹介した調査データや副業事例を参考に、副業の活動時間について検討してみてくださいね。

(書き手:永見 薫/編集:佐野 創太/監修:HiPro Direct編集部)

あなたにおすすめの記事

Recommended

新着記事

New Articles

ランキング

Ranking

Follow Us

SNSをフォローして、お役立ち情報や最新のイベント情報を受け取りましょう

HiPro Direct

業界最大規模の転職サービス「doda」を運営するパーソルキャリア株式会社の
副業・フリーランス向けマッチングプラットフォーム「HiPro Direct(ハイプロダイレクト)」では、 様々なお悩みを解決し、あなたらしい働き方の実現を応援します。

  • 累計10,000人以上の
    副業者・フリーランスが登録

  • 日本を代表する大企業の
    副業案件も多数掲載

  • 地域副業に特化した
    コンテンツページも充実

  • 土日、週1、フルタイムなど
    さまざまな働き方が選べる

  • 掲載案件のうち90%が
    リモートワーク可能なお仕事

  • 短期1時間/回のスポットコンサル案件から
    副業可能(報酬1万円~/H)

HiPro Direct

HiPro Direct(ハイプロダイレクト)は、
dodaを提供する人材サービス大手
パーソルキャリアが運営しています。
私達は「はたらいて、笑おう。」を理念に持ち、
みなさまのキャリアに対する不安やお困りごとを
解決すべく、
また、その先にあるご自身のキャリアを
自ら描けるよう
「はたらく」を自分のものにすることを
応援いたします。