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【HiPro Direct Networking Day 2024:イベントレポート2】Session1〜激論!改革­­­­­­­のリーダーが語る。日本企業の伝統と文化を輝かせる「人と組織のあり方」とは〜

パーソルキャリアが運営する副業・フリーランス人材 マッチングプラットフォーム「HiPro Direct(ハイプロダイレクト)」は、企業と各専門領域の第一線で活躍するプロ人材の直接的な出会いを創出すべく、2024年3月8日に「HiPro Direct Networking Day 2024」を開催しました。本イベントのテーマは「副業で、日本の伝統と文化を改革する」です。

本レポートでは、「HiPro Direct Networking Day 2024」の『Session1〜激論!改革のリーダーが語る。日本企業の伝統と文化を輝かせる「人と組織のあり方」とは〜』の内容をお送りします。

モデレーターは、「HiPro Direct」責任者の大里 真一朗が、株式会社メルカリ 取締役会長、株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シー 代表取締役社長、公益社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)理事を兼任されている小泉 文明氏にお話しを伺いました。

▼登壇者プロフィール

小泉 文明

株式会社メルカリ 取締役会長/株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シー 代表取締役社長

2003年、早稲田大学卒業後、大和証券SMBC株式会社(現 大和証券株式会社)入社。投資銀行本部にて主にインターネット企業の株式上場(IPO)支援を担当し、ミクシィやDeNAなど数多くのIPOを実現させる。2006年12月、株式会社ミクシィ入社。社長室長、経営管理本部長を歴任し、2008年6月に取締役執行役員CFOに就任。2012年6月、同社取締役を退任し、アカツキ、フリークアウト、ラクスル等の社外取締役・監査役などスタートアップ企業の経営を支援。2013年12月、株式会社メルカリに入社し、14年3月に取締役就任。2017年に取締役社長兼COOに、2019年より取締役会長に就任。2019年8月より株式会社鹿島アントラーズFCの代表取締役社長に就任。2022年3月より公益社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)理事に就任。

大里 真一朗

パーソルキャリア株式会社 タレントシェアリング事業部 Business_innovation統括部 エグゼクティブマネジャー 兼HiPro Direct責任者

大学を卒業後、パーソルキャリア株式会社(旧:インテリジェンス)に入社。dodaの法人営業として、300社以上の採用をご支援。その後、営業企画、金融機関等とのアライアンス推進等を担い、新規事業開発のキャリアへ。PERSOL MIRAIZやHRアナリストの立ち上げ、グロースに寄与。
現在は、「雇用によらない働き方の創造」を掲げるタレントシェアリング事業部にて、複数サービスの立ち上げに携わる。また、直近リリースした副業・フリーランスと企業をつなぐマッチングサービス「HiPro Direct」の事業責任者も務める。

伝統を守りながら、ビジネスを革新しなければならない

大里:モデレーターを務める大里と申します。今日は、副業・フリーランスも含めて、幅広い人材採用、人材活用に関して、さまざまな観点から切り込んでいきたいと思っておりますので、よろしくお願い致します。本セッションの登壇者は、メルカリの会長職、鹿島アントラーズの社長職、Jリーグの理事を務めていらっしゃる小泉さんです。まずは自己紹介をお願いいたします。

小泉氏:はい。私はメルカリを創業者の山田と一緒に二人三脚で立ち上げてきました。山田は、プロダクト開発寄りのエンジニアリングをバックランドとしているので、私はそれ以外の事業やマーケティング、ファイナンス、HR領域を担ってきました。

そして、4年ほど前に縁があり、鹿島アントラーズの経営権を取得しました。今回は、鹿島アントラーズが旧来のトラディショナルな会社からネットの企業の経営手法に大きく変わる中で、どのようなことが行われ、変わっていったのかをお話できたらと思います。

大里:ありがとうございます。今回は3つのトークテーマをご用意しています。まずは1つ目の「『伝統』を受け継ぎ、新たな『革新』を起こす組織の特徴とは」をお伺いしたいと思います。

鹿島アントラーズの30周年記念のロゴは、伝統を重んじながらも革新に挑戦するクラブの意思を示しているのですね。鹿島アントラーズの経営に参画して、クラブの伝統や歴史をどのように捉えているのでしょうか?

小泉氏:鹿島アントラーズにとっての伝統は、フットボールを中心に勝利すること、もしくは地域と共に歩んでいくことです。軽んじてはいけない、変えてはいけないところだと思っています。

革新、つまり変えなければいけないのはビジネスの部分です。テクノロジーを活用してクラブ経営を高度化していくこと、収益化を図ること、ファンにもっと楽しんでいただくことなどですね。元々はBtoBの親会社だったのが、私たちのようなBtoCのネット企業が入ることで大きな革新があると思っています。

野球型組織からサッカー型組織へ

大里:経営権を獲得することに対して、最初は反対意見もあったと伺っています。そこに対する葛藤や苦悩はありましたか?

小泉氏:そうですね。反対意見もあるなか、最初の全社員とのミーティングでどのようなメッセージを経営者として投げかけたのか、皆さん興味があると思うのでお話します。

最初に伝えたのが、「野球型組織からサッカー型組織に変えましょう」ということです。野球型組織というのは、監督やコーチがバントをしなさい、盗塁をしなさいとサインを送る指揮命令系統がある中で、選手が工夫しながら試合を進めていく形です。それに対して私がやりたいサッカー型の組織は、監督たる経営層が大きな戦略は伝えつつも流動的な試合の中で選手各自がその場その場で判断をして、共通のゴールに向かっていく組織です。

強い組織というのは、正しい情報が流通し、それをベースに正しい意思決定がされ、そして行動に移すスピードが早いのです。

サッカーは選手に情報がないと適切なポジションを取れないですし、パスを出せない。組織においても同様で、現場に適切な情報がなければ進んでいけません。そこで情報共有が即時にできるチャットツールを導入しようとなるわけです。

はたらき方のベースを変えて、勝てる組織をつくるためのCX(コーポレート・トランスフォーメーション)を行う中で、DX(デジタルトランスフォーメーション)が必要になるということをお話しました。

大里:私も野球で育ってきたのですが、すごくわかりやすい例えですね。小泉さんが鹿島アントラーズに代表取締役社長に就任した時は、野球型だったんですね。

小泉氏:野球型でしたね。基本的に役職者の人ほど情報を持っていて、上から下に情報が流れていく形でした。しかし、それだとスピードが出ないんです。私としてはなるべく現場で早く決めていってほしい思いがあり、メルカリと同じく人事情報とインサイダー情報以外は、基本的にすべての情報にアクセスできるようにしています。取れる情報はなるべく多くし、現場で判断できる組織にしています。

「人」と「組織」の部分から革新を行う

小泉氏:もう一つ、早々に手をつけたのが評価制度です。情報に透明性が出てくるとはたらき方が変わるため、今までの年功序列型の評価の仕方だとズレが生じるためです。役職の階層も減らし、フラットな評価制度に変えたうえでかなり丁寧に評価をしていくので、一回で100万円以上給与が上がる社員もいます。

階層があり、役職がつくことによって給与が上がってきた組織において「役職をなくします、どんどんフラット化します」と伝えると、その世界線を見たことがない不安から当初は抵抗を感じる方もいました。しかし、2回、3回と評価を回して重ねていくうちに、評価が良ければ給与がどんどん上がっていく動きを見て、その抵抗感はなくなっていくんです。

大里:指針を掲げるだけではなく、社員のモチベーションを上げるために評価制度を変えてPDCAを回したということですね。

小泉さんはJリーグのクラブ経営と、スタートアップ、大手企業の支援も含め、さまざまな経験をされてきたと思いますが、経営者視点で鹿島アントラーズを外から見て感じたことはありますか?

小泉氏:目標があって、ロードマップを逆算しながらPDCAを回すというのは基本的に変わりません。しかし、サッカーの場合は、改善をしようとしても次の試合は2週間後ということも多く、スピード感は遅いんです。

ただ、権限を委譲し、現場でやるべきことと経営層がやるべき事をしっかり整理しながら、スピード感を持って動くという点はあまり変わらないかなと思います。

大里:ヒト・モノ・カネの中でも「ヒト」から着手する印象をお受けしたのですが、こだわりがあるのでしょうか?

小泉氏:そうですね。経営者として、社員一人ひとりの能力をどう有効活用するのか、生産性やモチベーションをどのように上げていくのかが、一番大事なポイントだと思っています。給与面はもちろんですが、会社のミッションと個人のWILLとの結合点が多いところに、モチベーションが帰結する社員がすごく多いと思っています。

会社のあるべき姿やミッションを常に社員に伝えて、社員も同じ想いになってもらえるかが大事です。経営側と社員で心のキャッチボールをしていく中で、組織全体のモチベーションが上がるので、最初は人と組織の部分から手を付けるようにしています。

ハイパフォーマーがはたらき続けられる環境が勝利を呼ぶ

大里:人材の採用、獲得の部分について、スポーツクラブ特有の魅力はあるものの、地域という因子が絡むことによって、劇的に難しくなる状況もあるように思います。人材の採用、獲得で大事にされていることはありますでしょうか?

小泉氏:採用について大事なのは、しっかり人に投資することです。良いタレントを採用するためには、投資をして稼いでいくことから目を背けないで向き合っていかないといけません。プロスポーツはエンターテインメントビジネスなので。

しかし、日本のスポーツは体育の延長線上にあり、「稼ぐ」とか「エンターテインメント」を押し出すとサッカーで勝利を目指さないのかと思われてしまいがちです。でも、稼いだお金でサッカーに投資をするから勝てる、サッカーで勝てるからまた稼げるんですよ。だからしっかり相応の給与を払うという投資をして、ハイパフォーマーがはたらき続けられる仕組みを作っておく必要があるんです。

あとは、はたらき方の点ですね。鹿嶋市は東京から車で1時間30分程度かかるので、採用が大変です。なので、六本木ヒルズにあるメルカリに通ってもよいし、鹿嶋に行ってもよいという風にしています。

副業人材の受け入れで重要なのは、期待値の調整

小泉氏:鹿島アントラーズでは、普段一流企業に勤めている方の副業も受け入れています。副業人材については、はたらき方の多様性に対して、受け皿になる組織文化とツールが整っていないといけません。この2つを提示することができなければ、基本的に副業人材を受け入れられないのです。

鹿島アントラーズの場合は、副業人材が週末に試合観戦に来てくれるので、そこでコミュニケーションをとるなど、企業文化を伝えながら副業してもらえるようになっています。

大里:メルカリは昔から副業人材の活用はしていたんですか?

小泉氏:メルカリはどちらかというと、副業人材を他の企業に送り出す側ですね。昔から副業を推奨していまして、今でも多くのメンバーが副業をしています。会社の外でパフォーマンスを出すことによって、いろんな学びがあるんです。アウトプットを出そうするとインプットするので、その繰り返しで、その人が成長していくと信じています。

鹿島アントラーズの場合は、人がいない中で副業を受け入れないとならない状況ということです。

大里:副業人材の受け入れ側で大切だと思うことは何でしょうか?

小泉氏:期待値の調整ですね。明確に「この仕事をいつまでにしてほしい」と伝え、パフォーマンスで管理していくことです。この期待値の調整を最初にしておかないと、グダグダになってしまうので。

大里:期間と成果物を明確に定義することは重要だと思いますが、どのような依頼の出し方をされているのでしょうか?

小泉氏:ミーティングの議事録も含めてすべて情報はオープンにしているので、はたらくタイミングで内容を見てもらい、その中で業務の割り振りをしています。

副業人材の業務評価については、定期的に継続の有無をレビューして承認が下りないと継続できない仕組みになっているので、「なんとなく続けている」という状況がないようにしています。

はたらき方の違いはあっても、マネジメント方法は変わらない

大里:多様かつ優秀な人材のマネジメントは難しいと思うのですが、正社員と副業・フリーランス人材とでマネジメントに違いを持たすことはあるのでしょうか?

小泉氏:違いはありません。鹿島アントラーズでは正社員と業務委託が半々くらいなのですが、みんな同じ仲間です。だから、はたらき方は関係なく正しい情報を伝え続けて、当事者意識を持ってもらえるようにしています。

大里:業務委託だから情報はこれしか与えられないなど、多くの企業様も課題として挙げられている部分なのですが、ガバナンスの観点で工夫されていることはありますか?

小泉氏:可能な限り情報を渡すことですね。情報に対してナーバスになりすぎると、仲間という感じではなく、一協力者のような感じになってしまうので、私はなるべく情報を渡します。そのうえで、対話する時間をしっかり取ったり、成果物ベースでマネジメントをしたりするようにしています。

人が増えると当事者意識が落ちていくことがあり、チャレンジしなくなるんです。チャレンジしてくれないと自己実現もできなければ、報酬も上げられません。そのチャレンジのベースはやっぱり情報だと思っているので、仕組みとしてちゃんとフォローできるかが大事だと思います。

私はよく「仕事で遊べ」って言うんです。真面目にやるのは簡単で、当事者意識がないと仕事で遊ぶのって難しいんです。遊べないと言われたことしかできなくなってしまうので、どこまで遊んでくれるのか、そこに会社の未来があるのかなと思っています。

大里:ありがとうございます。最後になりますが、伝統を受け継ぎながら革新を起こす上で、今までのお話も含めて経営に携わる皆さんにメッセージをお願いします。

小泉氏:副業人材も含め、事業に携わる一人ひとりのアウトプットの総和が、会社の成長のベースになるわけです。メルカリ、鹿島アントラーズもそうなのですが、時間をかけて一人ひとりのレビューをして、向き合っています。

そうやって、一人ひとりの生産性やモチベーションを上げられる組織を作るために、いろんな知恵を出し合うことが、経営者やリーダーにとって大事なことだと思います。

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