コラム
|副業・兼業
新規事業
ニーズの高い新規事業職種の副業で得られるメリットとは?
記事のまとめ
-
企業は社内で不足しているスキルやノウハウの補完、客観的な視点からの自社課題の発見を目的に、副業人材の獲得をしたい
-
新規事業の募集案件では、事業開発や経営企画・管理、マーケティング、セールス、コンサルティングなど多様な職種がある
-
副業で新規事業案件を経験することで、新たなスキルやリーダーシップの獲得などの自己成長につながり、キャリア選択の幅を広げてくれる
目次
人生100年時代が見据えられ、終身雇用は変化しつつあります。「組織」から「個人」へとキャリアの主導権が移行する中で、キャリアを見直すための選択肢が増えています。
特に副業は個人の新しいキャリアの可能性を開く手段として注目を浴びており、企業においても、企業内で不足する人材の補完として副業人材が求められるケースが出始めています。
そして企業は、急激なテクノロジーや顧客ニーズの変化によって、市場に新しい価値を生み出していく新規事業創出の重要性を感じています。
このように新規事業に携わる職種へのニーズがありますが、個人が副業を通じて新規事業の経験を積むことによって、彼らのキャリアにどのような恩恵をもたらすのでしょうか?本記事ではその魅力に迫りながら考えていこうと思います。
新規事業とは?企業事例やパターン、企業が取り組む背景
新規事業にはどのような事業が該当するのでしょうか。
オンライン辞書サービス「weblio」によると、企業がこれまで手がけていなかった事業分野に参入する場合や、独立起業して始める事業などを「新規事業」と呼ぶことが多いとされています。
新規事業には多様なパターンがある
新規事業には、既存の技術を用いた新商品で新市場の開拓を行うこと、ゼロから新サービスを開発するなどといった、さまざまなパターンがあります。「商品・サービス」と「市場」という2つの観点に「既存」か「新規」かという軸を組み合わせることで、新規事業のパターンが見えてきます。
また「商品・サービス」が新規であれば「新商品・新サービス」の開発となります。一方「市場」を広げる場合は、「新市場の開拓」となります。そして、「商品・サービス」と「市場」のどちらも新しい場合は、事業の「多角化」と呼ばれています。
企業が新規事業に取り組む2つの背景
企業が新規事業に取り組む背景は2つあります。
企業の競争力を維持・強化し、持続可能な成長を達成させる
既存の事業が順調であっても永遠に成長し続ける事業はほとんどありません。競合の参入により価格競争力の低下がおこったり、新たな技術開発で利便性の高い機能が出現することがあったりすれば、今までの製品は売れなくなってしまう可能性もあり、新規事業への取り組みが必要となります。
新規事業により市場の変化や技術革新への対応、消費者ニーズの多様化に対応
デジタル化の進展により技術革新のスピードが上がっています。それに伴い顧客ニーズは変化し、製品のライフサイクルも短縮化の一途をたどっています。目まぐるしく変化する時代のなかで持続的に成長を遂げるために、企業は新規事業の開発に取り組んでいます。
企業は、新規事業ポジションを副業で募集したい
企業が新規事業ポジションを副業で募集する理由として、「新規事業開発のための人材確保」が考えられます。社内のメンバーだけではスキルやノウハウが不足していることから、副業をはじめとする外部人材への期待がよせられているのです。
新規事業は、これまで社内での実績がなく、事業内容が明確でないのは当然です。さらに現場の業務内容や状況、顧客ニーズも目まぐるしく変化していきます。社内の人的リソースだけに留まっていると、顧客ニーズの捉え方や収集できる情報に偏りが発生しやすくなり、最適な施策の実施が難しくなります。そのため副業をはじめとしたプロ人材の活用が進められています。
プロ人材の活用により、企業は第三者からのフラットな目線によるアドバイスや、自社だけでは知り得ない市場・他社の動向や知見を取り入れることができます。それによって自社の課題を客観的に見つめなおし、市場と照らし合わせた対策を練ることができるようになるのです。こうして視野を広げることが企業にとってビジネスの成長につながるでしょう。
以下の図は、株式会社パーソル総合研究所が発表した、企業における新規事業開発に関する調査結果です。そのなかで、企業の新規事業開発担当者が感じている組織マネジメント上の課題は何かという設問に対して、「担い手となる人材の確保」との回答は38.9%、「知識・ノウハウ不足」との回答は38.6%と、ともに4割程度でした。つまり、人材と知識・ノウハウの不足が主な課題と感じているようです。
この課題を補うために副業やプロ人材に期待がよせられていることが読み取れるでしょう。
図タイトル:新規事業開発担当者が感じている組織マネジメントの課題
(画像引用元:株式会社パーソル総合研究所「企業における新規事業開発に関する調査結果」)
新規事業の副業案件にはどんな募集がある?
では新規事業領域での、副業の案件には一体どのようなものがあるのでしょうか。
具体的な副業の案件には、事業開発や経営企画・管理、マーケティング、セールスなどの多様な職種での募集があります。中には経営層直下案件として、経営層と直接コミュニケーションをとりながら業務を進めるベンチャー企業のコンサルティング案件なども見られます。
新規事業の立ち上げや新規事業に関する業務は、企業における人材のニーズが高い一方で、副業として新規事業経験を積める案件は、専門性や事業立ち上げの経験、マネジメント経験など、これまでの経験の有無によってある程度数が絞り込まれます。その理由は、新規事業の成功には綿密な計画と実行力が必要であり、求められるスキルと経験が高度だからということです。
そのため新規事業の業務経験がなくても、これまで自分が培ってきた知見を活かしてチャレンジが可能な案件募集があれば、積極的に応募を検討してみるのも良いかもしれません。
実際にどのような新規事業の副業案件があるのか、「HiPro Direct」の案件一覧もぜひご覧ください。
案件内容を見ることで、多様な業界で新規事業への取り組みが行われていることがわかります。案件の募集背景や仕事内容、稼働期間の情報などから、副業でのはたらき方をイメージしてみましょう。
副業として担う、新規事業の経験はキャリアにどう活きる?
副業での新規事業経験を通して、個人が得られるメリットについて考えてみましょう。
新たなスキルの獲得
副業で新規事業に取り組むことは、既存のスキルを活かすだけでなく、新しいスキルを得るチャンスでもあります。
例えば副業を通じて新規事業領域に挑戦することで、0から事業を立ち上げるスキルを獲得し、自己成長につなげることができます。これらのスキルは、将来のキャリア形成において新たなポジションや裁量ある職務を引き受ける際に大いに役立ちます。
リーダーシップの獲得
新規事業を立ち上げるためには、計画立案、時間管理、チームの指導など、周囲を巻き込むリーダーシップが必要です。
本業では、マネジメントポジションでの経験を積むことが難しい状況であっても、副業を通して経験を積むことで、将来的なリーダーシップポジションへのステップアップがスムーズになるでしょう。
ネットワークの拡大
新規事業を進める際には、さまざまな分野の専門家や協力者と連携して事業を作っていきます。副業を通じて構築したコネクションは、将来のキャリアにおいて転職など新たなビジネスチャンスや、協働でプロジェクトに取り組むなどのパートナーシップを築く可能性があります。
将来の起業への備え
副業で新規事業に取り組むことによって、マーケットの分析や、新たなプロダクトの創設、売上やコスト管理など、経営視点を持ってひとつの事業に携われます。そのため、自ら起業のリスクを取らずに、新たなアイディアをビジネスとして成長させるプロセスを経験できる点がメリットになります。
将来自分でビジネスを立ち上げる際にも、この経験は貴重な資産となるでしょう。
まとめ
副業での新規事業経験は、キャリアに多様性をもたらすばかりでなく、自己成長と将来のキャリア選択の幅を広げてくれる可能性があります。
「すぐに転職や独立とまでは考えていないけれど、この先も本業で働き続けていくのだろうか……」と考えている方は、長期的なキャリアを見据えて、新たなステージに挑戦してみるのもオススメです。きっとキャリアの可能性を広げる第一歩となることでしょう。
(書き手:さおりす/編集:永見 薫/監修:HiPro Direct編集部)