イベント

|

Networking Day

プロ人材活用

副業・兼業

【HiPro Direct Networking Day 2024:イベントレポート4】Session3〜大企業の人的資本。『人事 vs 現場』徹底討論〜

パーソルキャリアが運営する副業・フリーランス人材 マッチングプラットフォーム「HiPro Direct(ハイプロダイレクト)」は、企業と各専門領域の第一線で活躍するプロ人材の直接的な出会いを創出すべく、2024年3月8日に「HiPro Direct Networking Day 2024」を開催しました。本イベントのテーマは「副業で、日本の伝統と文化を改革する」です。

本レポートでは、「HiPro Direct Networking Day 2024」の「Session3〜大企業の人的資本。『人事 vs 現場』徹底討論〜」の内容をお送りします。

モデレーターは、パーソルキャリア株式会社 タレントシェアリング事業部 Business_innovation統括部 HiPro_Direct部 ゼネラルマネジャー兼HiPro副編集長の鈴木 健一。登壇者は三菱重工業株式会社HR戦略部 ワークスタイル変革グループ長の辻本 亮太氏と、日本電気株式会社 デジタルテクノロジー開発研究所 リードビジネスデザイナーの尾田 識史氏です。

人材育成や人材活用において、大企業の人事と現場の双方の立場や視点から、双方がそれぞれに行っている取り組みや試行錯誤について討論しました。

▼プロフィール

辻本 亮太

三菱重工業株式会社 HR戦略部 ワークスタイル変革グループ長

2009年三菱重工業株式会社入社。航空機・宇宙機器の製造等を行う名古屋地区の工場にて、採用、考課任命、組合対応等のHR業務を経験後、2021年に丸の内本社に転勤。その後もHR部門にて社員の働き方改革、エンゲージメント等の業務に従事。2022年4月より現職。

尾田 識史

日本電気株式会社 デジタルテクノロジー開発研究所 リードビジネスデザイナー

シンクタンク、コンサルティング会社で、官公庁向けに、新しい社会インフラ導入(自動運転、AI診断、バリアフリーアプリ、健康政策AI等)の経済波及効果測定、実証実験、政策提言等を実行。さらに株式会社日立製作所に入社し、研究者(社会課題、経営課題、現場課題の構造化)と戦略コンサル(ソリューション、マネタイズモデル、事業性シミュレーション)の二足のわらじで活動。2021年に日本電気株式会社に入社し、翌年に新設されたデジタルテクノロジー開発研究所で、二足のわらじをはいた経験を活かし、リーディング企業と研究者が直接協創を行うイノベーションプログラムを設計し、人材紹介会社、商社、ヘルスケア企業、金融機関等と新規事業創出を推進中。

鈴木 健一

パーソルキャリア株式会社 タレントシェアリング事業部 Business_innovation統括部 HiPro_Direct部 ゼネラルマネジャー兼HiPro副編集長

2008年に株式会社インテリジェンス(現パーソルキャリア株式会社)に入社。キャリアコンサルタントを経験後、2011年7月より東日本大震災復興支援業務に従事。2017年にパーソルテンプスタッフ株式会社に出向。2020年にパーソルキャリアに帰任後は、タレントシェアリング事業部にて、地方における外部人材活用の普及推進に従事。現在はHiPro Directの営業責任者、およびHiPro副編集長を務める。

人材のデータが人的資本経営のカギを握る

鈴木:HiPro Directの営業責任者を務めていります、鈴木と申します。今回は大企業の人的資本をテーマに、人事と現場それぞれの立場から人材活用や育成に関して議論をする場にできればと思っていります。

早速ですが、登壇者のご紹介に移らせていただきます。

辻本氏:三菱重工業の辻本と申します。HR戦略部のワークスタイル変革グループというところにおり、グループ長を務めていります。ダイバーシティや従業員のエンゲージメントを担当するエンゲージメントチームと、就業や福利厚生などを担当する勤怠・厚生チームがあり、比較的新しい分野と昔から続く分野の両方を担当していります。よろしくお願いいたします。

尾田氏:日本電気の尾田と申します。グローバルイノベーションビジネスユニットというところで、リードビジネスデザイナーという役割を担っていります。リードビジネスデザイナーの役割をざっくり説明すると、ビジネスデザイナーや研究者、エンジニア、営業といったさまざまな職種の方々を束ねて研究をしたり、官公庁とともに政策を作ったりするプロジェクトのマネージャーの役割です。

当社単独では力が足りず、外部人材のお力を借りている部分についてご紹介できたらと考えています。本日はよろしくお願いいたします。

鈴木:ありがとうございます。では、最初のテーマ「大企業における『人的資本経営』の現在地」についてお話を伺っていきたいと思います。2020年に人材版伊藤レポートが公表されて以降、人的資本経営への注目度が高まっています。人的資本の有価証券報告書での開示義務も含め、大手企業、上場企業にとって喫緊のテーマになっていると思います。

辻本さん。人的資本経営に関する現在地というところで、取り組まれていることをお伺いできますか?

辻本氏:大きく2つあり、1つはデータの整備、もう1つは戦略です。

元々当社は人に対して投資をするという人的資本の考え方が、根強くありました。ただ、HR部門の中でもさまざまなセクションに分かれていて、それぞれが独自に進めてきたという背景があります。

そこから人的資本経営の文脈の中で、各HR部門が横断的に機能するようになりました。例えば、各部門が持っているデータを掛け合わせ、マクロ化することによって大きな視点で俯瞰する機運が出てきた、というのが大きな変化です。また、統合レポートなどを用いて投資家の皆様等にわかりやすく公表する、という部分も人的資本形成の文脈の中で起こった変化です。

戦略の部分では、HR戦略と事業戦略がうまく結びついていない側面がありました。そのため、現在は事業にいかに寄与するHRであるかを、命題に掲げています。2024年から新しい事業計画がスタートしますが、そこからの3カ年に対してどのようなHR戦略を取るべきなのかを、今まさに事業部門と一体となって考えています。

鈴木:ありがとうございます。辻本さんからは人事の立場でお話をいただきました。尾田さんは、人的資本経営によって現場にどのような影響があると感じていらっしゃいますか?

尾田氏:今まではスキルの登録をするけれど、何に使われているのかわからないという状況があったと思います。最近は、スキルなどを登録してまずは社内で見える化し、外部に公開していこうという方針に変わったと明確に感じます。

私が現場で一番ありがたいなと思っているのが、資本がどこに投下されていて、どこが足りないのかが数値化されるというところです。「この部分が足りなくて、こういう人材が欲しいんだ」と、定量的に訴えられる時代が来たのだと非常に期待をしています。

鈴木:データ化し、それを分析、公表するという人的資本経営を進めるにあたって、現場としてもデータの使用用途や入力の必要性について理解が進んでいるということですね。このお話を踏まえて、人事側として工夫されていることはありますか?

辻本氏:当社ではタレントマネジメントシステムを導入し、一人ひとりの入社後のキャリアを可視化できるよう試行にしています。人件費や教育への投資額なども含め、極力同じデータベース上でシステム化し、お渡しできるような取り組みを進めています。

鈴木:現場の意見として、尾田さんはどのようにお考えでしょうか?

尾田氏:現場になるべくデータを公開いただきたいというのは、正直な気持ちとしてあります。例えば、社内でこういう人材が欲しいとなった時に、スキルの解像度が粗い分野だとご紹介を受けても、受け入れるか判断できないのです。受け入れた結果としてミスマッチだったとしても、他の方に変わっていただくのは難しいので。

辻本氏:本人が何に対して志向性を持っているのか、何をしたいのかといった情報も大事ですよね。

尾田氏:おっしゃる通りです。異動した後にまず全員と1on1を行うのですが、最初はなかなか心を開いてもらえず、本当にやりたいことは2ヶ月くらい経たないと見えてこないんです。上司同士だと引き継ぎもうまくいかないので、ぜひデータを公開してキャリアプランも見えるようにしていただけるとありがたいと思います。

人材育成としての副業の効果とは

鈴木:ありがとうございます。現場のお話に移ってきた流れで、次のテーマに行きたいと思います。次のテーマは「人事と現場 それぞれが求める人材育成とは」です。

昨今、新規事業やDXなど、新たなスキルを人材が獲得する必要性が高まっていると思います。辻本さんが人材育成の観点で感じる変化や行っている取り組みはありますか?

辻本氏:社員は全社共通の資本になりますので、マネージャーが同じ目線で人を育てていく必要があります。当社で人材育成方針を定め、事業部門とHR部門が一体となって社員を育成できる文化の醸成に努めています。

例えば、経営人材候補者は推薦を必須としていたものを、立候補できるようにしてチャレンジ精神を培えるようにしました。そのような仕組みを取り入れて、会社全体で育成に注力していく機運を作っています。

鈴木:現場で活躍する人材を育てていくことについて、OJTも含めまだまだ現場主導になっているところも多いと思うのですが、尾田さんの組織ではどのような状況でしょうか?

尾田氏:人事より教育プログラムの提供や研修の紹介などはいただいています。一方で、プロジェクト側として抱えている課題もあります。

例えば、プロジェクトにエンジニアの方が1名加わった際に、この人を教育する人がいないということが起こります。そのような時に外部人材を活用したり、ベテランの方に入っていただいたりすることで、見本として成長させる配慮をしています。指導側の人材をプロジェクトに入れることを、かなり意識して人材育成をしていると思います。

鈴木:現場としては喫緊の課題として、目の前の人材の育成方法、足りない人材の補強の仕方が挙げられるということですね。辻本さんは現場の声を拾い上げながら施策を打つなど、人事側として工夫されていることはありますでしょうか?

辻本氏: 事業に紐づいた教育については、事業部門に極力近いHRBPを配置したり、統括部門と連動して各事業に応じた教育を実施したりと、基本的には事業の色が半分入るような教育の仕組みにしています。

鈴木:ここまで、配属された人材育成の観点でお話を伺いましたが、社内でのキャリアパスや人材の流動化に話題を移していきたいと思います。

キャリアパス形成や人材の流動化について、辻本さんの会社のご状況はいかがでしょうか?

辻本氏:キャリア自立という言葉が、当社の中で強いキーワードになっています。3年後、5年後を見据えたキャリアデザインを目的とした面談を行ったり、人材公募制度を取り入れ人材の流動化を図ったりする取り組みをしています。

鈴木:人材の流動化の観点で、副業を解禁し、外での経験を自社に還元してもらうことに取り組んでいる企業が増えています。尾田さんの会社のご状況はいかがでしょうか?

尾田氏:基本的に当社は副業を解禁しています。私がいる部署は研究者がたくさんいますので、大学向けに非常勤講師をするなど約1割の方が副業をしています。ボランティア活動やNPO法人を立ち上げる方もおり、アクティブな人が多い印象を受けます。

鈴木:副業のメリットはどのように捉えていらっしゃいますか?

尾田氏:副業は会社の看板がなく個人に戻るので、改めて自分の価値を定義して、副業から戻ってくる社員が非常に多いと思います。挨拶が元気になったなどの小さいことから、新しい技術に興味を持つようになったなど、刺激を受けることによって成長できていると思います。

鈴木:辻本さんは副業のメリットをどのように感じていらっしゃいますか?

辻本氏:副業の活性化を図るために情報発信やコミュニケーションをしていますが、自身の市場価値やスキルレベルに関する気付きを得る方が多いと感じています。

「苦手分野」で副業人材を活用すると劇的な効果がある

鈴木:最後のテーマ「『人的資本』の未来 これからの人材活用」に移ります。労働人口が減少していく日本において、専門的な知識やスキルのシェアリングが重要となります。そして、外部人材との接続を含めた人材の流動性を高めることが1つのテーマになると思います。

尾田さん、日本電気様の外部人材の活用状況についてお話いただけますでしょうか?

尾田氏:当社は従来、いわゆるSIビジネスを展開してきました。現在では、少しずつ消費者向けの新しいビジネスを始めるなど、新たな挑戦をしており、そのなかで外部人材の力を借りるようになりました。

社内で人材が揃っているように見えても、例えばZ世代のサービスに詳しくない、エンジニアがいてもデザイナーがいない、この特許は本当に海外で知的財産権を取得できるのか、など不足している部分がありました。このような社内人材が持つスキルとは距離がある領域に関して、外部人材に頼りスピードアップを図っています。

鈴木:三菱重工業様では外部人材の活用に関して、どのようなご状況でしょうか?

辻本氏:現在はHR部門で副業人材をコンスタントに受け入れています。一番衝撃を受けたのは、デザイン系職種の方ですね。今までは社内コミュニケーションにおいても文章でカチッと作っており情報が伝わりづらかったのですが、デザインの力で理解度が劇的に変わりました。

また、社内ではなかなか生まれない発想もたくさん出て、新しい風が吹き込んできたと思っています。

鈴木:ありがとうございます。反対に、外部人材を活用するうえでの障壁やデメリットはどのように感じていらっしゃるでしょうか?

尾田氏:投資向けの商品やデザインなど、我々がまったく知識のない分野に関しての課題は、外部人材の活用によって解消しました。一方で、社内に知識がある分野を手伝ってもらう形の活用は、社内メンバーのレビューが厳しかったり、作業としてかぶり感が出てしまったりするのでおすすめしません。

製品コンセプトのエッセンスだけ考えてもらうといった、苦手としている分野のみに絞って依頼することがポイントです。

鈴木:多様な人材を活用するという観点で、社内の中で変えていく必要を感じる部分はありますでしょうか?

辻本氏:役員層に副業人材の有効性を認識してもらうことは重要だと思います。

また、キャリア採用は特に苦戦していますので、特定の領域に強みを持つ人材の確保はますます重要になってくると思います。そこで自社のニーズに合致する副業人材の方がいれば、他部署でも試行的に活用しなければいけないと思っています。

鈴木:外部人材活用、人材育成、採用の話も出ましたが、人的資本について今後どのように変わっていくと良いと思われますか?現場の立場から尾田さんはどのようにお考えでしょうか?

尾田氏:転職で必要な人材を獲得できないと予測できた場合は、人材紹介会社が並行して副業人材の提案をしていただけると良いなと思っています。キャリア採用で時間がかかる場合でも、その間に副業人材を活用すればプロジェクトを動かせるので。

人材を確保する手法は転職だけではないということを、人事にアピールしていただけると良いなと思います。

鈴木:採用が難しいのであれば、それ以外の手法をご提案できるといった総合的なソリューションを作り上げていくことが、我々人材紹介会社の今後であると感じました。

辻本さんは今後の人的資本について、どうすべきだとお考えでしょうか?

辻本氏:社内の話をすると、リソースシフトが起きると良いと思っています。社内でも事業に濃淡がありますので、忙しいところに加勢できる体制を作るなど、社内副業も含めて人材の流動化を進めなければいけないと思っています。

社外に関していえば、事業戦略と連動したHR戦略という文脈の中で、現状は事業部門から「〇人獲得したい」という要望に対して人材を確保する流れになっています。今後はこちらから提案していく状況を作っていく必要があると思っています。

副業人材を活用しやすい環境づくりが第一歩

鈴木:人材活用というテーマで、人事と現場双方から変革を起こすことが求められていくとお話をいただきました。最後に経営者の皆様、現場の担当者の皆様、責任者の皆様に一言メッセージをいただければなと思っています。

辻本氏:現在は副業者の受け入れをしやすい状況にあると思います。育児や介護等で数年間担当者が抜けてしまう穴をどのように埋めるかは、非常に悩ましい問題です。そのような場合に、専門性を持った副業人材にお手伝いいただく方法もあるのかなと思いました。

副業にはさまざまな可能性があります。自社の中で議論をして、まずはトライアルからでも良いので、一歩踏み出してみることが大切だと思います。

尾田氏:すでに外部の企業からコンサルを受けている企業も多いと思います。それが会社なのか、個人なのかという点が変わるだけで、それほど大きな違いはないと感じています。

副業人材の活用について、ぜひ現場の意見を聞いていただき、必要があれば予算を取り「やってみなよ」といった温かいお言葉をかけていただけると挑戦しやすくなると思います。

鈴木:まだまだお話が尽きないところではありますが、お時間となりましたので、終了とさせていただきます。ありがとうございました。

【HiPro Direct Networking Day 2024 :イベントレポート2】Session1〜激論!改革のリーダーが語る。日本企業の伝統と文化を輝かせる「人と組織のあり方」とは〜

【HiPro Direct Networking Day 2024:イベントレポート3】Session2〜豆腐屋さんが攻めのブランディング!? 豆乳ビジネスで次世代の柱を。〜

あなたにおすすめの記事

Recommended

新着記事

New Articles

ランキング

Ranking

Follow Us

SNSをフォローして、お役立ち情報や最新のイベント情報を受け取りましょう

HiPro Direct

業界最大規模の転職サービス「doda」を運営するパーソルキャリア株式会社の
副業・フリーランス向けマッチングプラットフォーム「HiPro Direct(ハイプロダイレクト)」では、 様々なお悩みを解決し、あなたらしい働き方の実現を応援します。

  • 累計10,000人以上の
    副業者・フリーランスが登録

  • 日本を代表する大企業の
    副業案件も多数掲載

  • 地域副業に特化した
    コンテンツページも充実

  • 土日、週1、フルタイムなど
    さまざまな働き方が選べる

  • 掲載案件のうち90%が
    リモートワーク可能なお仕事

  • 短期1時間/回のスポットコンサル案件から
    副業可能(報酬1万円~/H)

HiPro Direct

HiPro Direct(ハイプロダイレクト)は、
dodaを提供する人材サービス大手
パーソルキャリアが運営しています。
私達は「はたらいて、笑おう。」を理念に持ち、
みなさまのキャリアに対する不安やお困りごとを
解決すべく、
また、その先にあるご自身のキャリアを
自ら描けるよう
「はたらく」を自分のものにすることを
応援いたします。